10月の第二土曜日・日曜日にかけて福岡に行ってきました。そうです。台風19号が直撃した週末のこと。なんとか無事に戻ってきたものの,周囲からは「アホか」という冷ややかな反応でした(涙)。
天気図を見ながら,これはまずいことになりそうだと思った(もとい,確信した)ものの,ずっと前から計画していた福岡行きを決行したのは年に一度開催されるお祭りが目的でした。祭りと言っても,市内で大規模に開催されるものではなく,日田の山里で開催される小鹿田焼の民陶祭です。顛末は次々回に。
まずはこれも楽しみにしていた「更紗の時代」展が開催中の福岡市美術館を訪ねました。バス停の前の蓮池。あれ,この時期に花が咲いてます。レンガ造りの外観は東京都美術館と雰囲気が似ている気がします。
「更紗の時代」展はとても興味深い展示です。解説文には「(略)更紗の美はグローバルな価値観となった。本展は,世界中が更紗を求め,美意識を共有し,交流した約500年にわたる時代をたどる」とあります。まずは16世紀のインド更紗から始まり,大航海時代のヨーロッパ参入以後,日本への浸透,そしてヨーロッパやアジア諸国での受容の姿が美しくたどられていきます。
理屈を超えてとにかく好きというわけで,どの作品も個人的な好みとか体験から見てしまう。「生命樹文様」の16世紀インド更紗などはこんな布が部屋に1枚掛けてあったならいいなあとか,少ない分量の布を丁寧に仕立てた彦根藩や前田家伝来の仕覆や包裂などはこの手にとって実際に使ってみたいとか思ってしまいます。裁断するたびに印を押して管理していたという前田家伝来の更紗には,わかるわあ,大事に使いたいよねえ,と実感。
展示の後半はインド更紗を目指してヨーロッパ,インドネシア(ジャワ更紗),日本で独自に創造された更紗と,そして最後は「更紗の子孫」ということでアフリカのカンガも多数出品されていました。もりだくさんの内容でとても見応えのある展覧会です。
ところで展覧会のチラシがとてもすてき。裏面は一面のプリントになっています。このまま額に入れて飾ってもよさそうです。
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