2016-02-15

2016年1月,お能の公演と展覧会の覚書

 記憶に残っている限り,人生初のインフルエンザに感染。あまりの頭痛の辛さに死ぬかと思いました。。月並みだけれど,健康のありがたみを痛感すると同時に,日常のすぐ隣には日頃の生活では想像もつかない,暗く深い淵が存在するのだとも実感する。
 
 ようやく元気が戻って,今更ながらいくつか1月の記録を。国立能楽堂には1月の特別公演を見に行きました。能「鱗形」,狂言「舟船」,能「唐船」という番組です。一番楽しみだったのが「唐船」。 
 日本に抑留された祖慶官人を中国に残してきた息子たちが迎えにくるのですが,日本で生まれた子たちは中国へ渡ることを許されず,祖慶は苦悩する,というお話。日本の役人である箱崎某がとにかくいじわるな役回りながら,ワキ方の福王和幸さんのりりしい姿に,ほかのことはそっちのけになる。
 
 祖慶は結局,子供たち全員と中国へ渡り,船中で舞を舞います。やはりいかにも窮屈な印象です。解説には,狭さを感じさせない幽大な舞と書いてあったけど,うーん。という感じ。ちょっと睡魔に襲われる。
 
 ほかに1月は金沢で「新・古能面展Ⅳ」を金沢能楽美術館で。加賀宝生の古面と,現代能面美術展(公募)の入賞作品の展示です。能面の公募展があるのか,ということに驚く。さらにそこに「現代」と銘打たれていることも。お正月から展示室はたくさんの来館者で賑わい,1階エントランスでは能面製作過程の展示や能衣装の試着など,古都の生活に根差した能楽の一面を垣間見た思い。 
  最後に忘備録として,昨年のことになってしまいますが,2015年12月には櫻間会の公演「草木国土悉皆成仏」を楽しみました。地唄「雪」,能「初雪」と韓国のビョクサ・ダンスカンパニーによる韓国舞踊の公演です。韓国舞踊はとても興味深いものでした。機会があれば項を改めて。

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