2022-12-04

2022年11月,東京上野毛他,「西行」展他

 いくつか気になる展覧会があって,久しぶりにぐるっとパスを購入しました。とてもお得なのだけれど,生来の貧乏性ゆえ,元を取らなきゃと必死(?)になってしまいます。じっくり見たり考えたりというプロセスがおろそかになってしまっているのですが、とりあえず忘備録として。

 まずは五島美術館で「西行 語り継がれる漂泊の歌詠み」展(12月4日まで)。古筆を中心に絵画・書物・工芸などなど。東博や京博からも国宝がずらりと並んでいて,西行という歌人が語りかけてきたものを辿ることができる展覧会です。

  私にとって西行は辻邦生の「西行花伝」に描かれた世界がすべて。自筆の手紙など見ていると,辻邦生の作り上げた小説世界と現実が交錯してきて,夢中で読んだ日々を思い起こさせる体験となりました。

 六本木の泉屋博古館では「板谷波山の陶芸」展を。これだけまとめて見たのは初めて。とにかく「麗しい」という形容しか思いつかない。廣津美術館蔵の「彩磁蕗葉文大花瓶」は「完璧な美」というものを目の当たりにして圧倒されます。 

 大倉集古館ではコレクション展の「信仰の美」展を。大倉喜八郎が蒐集した中世から近世にいたる仏教美術の優品がずらりと並びます。「審美眼」という言葉の意味が具現化されているような展覧会。
 もう1つ、汐留のパナソニック汐留美術館では「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」展を。琳派の優品と,その精神を受け継ぐ神坂雪佳の図案・絵画を楽しんで大満足。

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