2024-01-09

2024年1月,東京恵比寿,「即興 ホンマタカシ」展

 東京都写真美術館で「即興 ホンマタカシ」展を見る。ホテルの部屋をカメラ・オブスクラ状態にして撮影された作品だけで構成されている。メインのビジュアルになっている《New York》は画面が4分割されていて,その境界線のあたりが赤くなっているのが意図したものなのか,絶妙のセンスだなあと思っていたら,空港の手荷物検査のX線でネガフィルムが変色してしまったのだという(ニァイズ155号より)。

 「即興」であり「偶然性」を取り込んだ写真たちを前に,「写真」を疑う「写真家」の想いが伝わってきて,少なからず衝撃を受けた写真展。正月に見た日曜美術館の特番内でホンマタカシが,「写真には攻撃的で暴力的な一面がある,それをやめて逆の立場に立ってみた」というような発言(正確には覚えていません)をしていたのが印象的だった。

 インタビュー記事にはこんな発言もある。「『笑って,笑って』と被写体に言うのは,事件を起こすってことじゃないですか。それをしない。そう考えると縛りが多いですね。面倒な技法や機材を使い,画面には水平垂直の縛りをし,決定的瞬間を狙わない。」(「アイズ2023」115号pp.3-4)

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