2014-09-15

2014年9月,読んだ本,「シッダールタ」「シッダールタの旅」

 9月に入って思いがけないやっかいな案件を抱えることになり,てんてこまいの日々を過ごしていました。急に過ごしやすくなったこの連休,やっとめどがついて身辺の整理がはかどりました。

 まずはインド旅行の余韻を引きずって読んだ本を何冊か忘備録として。ヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」はいくつか訳が出ています。新潮文庫の高橋健二訳で読んでみました。一体,この美しい文体は原文ではいかばかりか,と思えてきます。シッダールタの一生を辿りながら,ページの向こうには美しい映像が広がるよう。

 「ああ,すべての苦しみは時間ではなかったか。みずからを苦しめることも,恐れることもすべて時間ではなかったか。時間を克服し,時間を考えないようになることができたら,この世のいっさいの困難と敵は除かれ克服されはしなかったか」(pp.138-139より引用)

 そしてまさにその映像をビジュアル化した本が「シッダールタの旅」(竹田武史構成・写真,新潮社)。文庫本をポケットにインドを旅した写真家のとらえた瞬間瞬間は,すべてがそれぞれ一遍の詩のようです。 ここしばらくの間,外出するときにはこの2冊をバッグに入れて飽かず読んだり眺めたり。次のインド旅行は仏教遺跡めぐりにしよう,と心に決める。

 もう1冊,小学館の「世界の文様4 インド・東南アジアの文様」は夢のような本。どのページをめくっても,どのキャプションを読んでも心はアジアへ飛んでいく!次のインド旅行では各地の博物館も絶対訪れよう,と心に決める。ああ,人生には宿題が多すぎます。

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