2015-01-07

2015年1月,東京上野,博物館に初もうで・黒田記念館

 湯島天神の初詣は三が日を過ぎても長い列。ようやく参拝を終えてほっと一息つきがてら,上野の森へ向かいます。今年は不忍池の側に骨董市が立っていないようでした。ぶらぶらするのを楽しみにしていたのに,ちょっと残念。 不忍池の枯れた蓮。
  東京国立博物館のお正月はとにかく華やかです。特別展示「ひつじと吉祥」は東アジアや中央アジアの遺物がとても面白い。「羊頭部形垂飾」(地中海東岸又はカルタゴ出土)は紀元前7~6世紀のガラス製。何を飾ったものだろう。「個人蔵」となっていて,こういうものを「自分だけのもの」として所蔵して,折にふれて手にとることができる人物の気分になってみる。これぞ初夢?

 本館のあちらこちらで新春特別公開の名品がいっぱいあるわけですが,国宝室は長谷川等伯の「松林図屏風」。第9室では能装束などもじっくり拝見。東洋館では中国の吉祥文様の染織,朝鮮の高麗茶碗の特集などに大興奮でした。

 ところで,博物館内はフラッシュをたかなければ写真撮影がほとんど可能です。で,あちらこちらでスマホをかざして写真撮影をしている人がたくさんいて,ちょっとうんざりする。がしゃ・がしゃという音がいやですね。
 
 本館をあとにして,リニューアルオープンした黒田記念館にも立ち寄りました。記念室は通年オープンで,名作を限定公開する特別室は年に3回だけ,2週間ずつのオープンということ。記念館入口のファサード。
  特別室で「読書」「舞妓」「智・感・情」「湖畔」をゆっくり楽しみました。「智・感・情」には,おお,これが!という驚きと衝撃を受けます。印刷で見るのとはまったく次元が違う,特別な気をまとっています。魔的な美とでもいえばいいのか,この裸体画はいったい「何」なのだろうか。本館で見た能面の美とも通じる,この世のものではない「女」の姿がそこに息づいているようです。

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