2017-09-17

2017年9月,東京初台,「写狂老人A 荒木経惟」展

  9月3日まで開催されていたアラーキーの展覧会にぎりぎり駆け込んだ。何といえばよいのか,タイトルを字義通り解釈すれば,この人は「写真に狂った老人」なのかもしれないけれど,「写真家であり,狂人であり,老人」でもあるのかもしれない。これだけの写真を目の当たりにして,「この人は狂っている」という感想を抱くのは不謹慎だろうか。今日は老人を敬う日だというのに!
  入口の「大光画」はあまりの生々しさに目をそむけたくなる女性の裸体が並ぶ。生理的に無理,という作品も多くて足早に抜けると「空百景」と「花百景」の展示。

 ここで魂を吸い込まれるような感覚を味わう。明らかにメープルソープへのオマージュのような花もある。あ,やっぱりアラーキーは好きだ,と思うとまた「遊園の女」の展示のコーナーでは無理。とまるでジェットコースターみたい。そうか,ここは大人の遊園地なのか。

 「切実」の展示は面白かった。一度切り裂いた写真をコラージュした作品だから「切実」というわけ。Ripping the Truthというタイトルの英訳も,なんだか切羽詰まった感じが伝わってくる。

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