丸紅ギャラリーで,1点だけの美術展「ボッティチェリ特別展〈美しきシモネッタ〉」を見ました。会期終了間近ということもあって,入場まで30分ほど待つ盛況ぶり。1点だけの展覧会という話題性もあるのか,会場は熱気があふれていました。
丸紅本社受付にはこんな大きなシモネッタのパネルも。展覧会はこの絵の来歴や,シモネッタを描いた他の絵画作品やボッティチェリの他作品の紹介などもあり,面白い展示です。展示の最後に関連図書として辻邦生「春の戴冠」の新潮社新装版(1996)も展示されていて,おお。となりました。時間に余裕ができたらゆっくり読み返したい。
とは言え,1点だけだとやはりちょっと物足りない。そのまま京橋へ向かい,アーティゾン美術館で「パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂」展を見ました。これは逆に展示が盛り沢山で,途中でお腹いっぱいに。
17世紀から現在までのオペラ座の歴史を,様々な芸術分野との関連性を示すことで見せる展示です。建物の図面や,マネ,ドガなどの作品,オペラやバレエの舞台美術,楽譜に衣装に…と実にバラエティに富んだ展示の数々を時間をかけてじっくりと。観客の興味や思い入れもそれぞれだと思います。私には20世紀初頭バレエ・リュスの展示がクライマックス! ただ一つ,兵庫県立芸術文化センター薄井憲二バレエ・コレクションのニジンスキーの「牧神の午後」が表紙のプログラムの展示があるかなあと期待していたのですが,「シェラザード」のだった。時間ができたら兵庫へ見に行きたい。…って,人生の宿題が山積みになってます!
ところでアーティゾン美術館はリニューアルしてから初めて行きました。こんなに素敵な美術館だったとは。コレクションの特集展示の「アート・イン・ボックス マルセルデュシャンの《トランクの箱》とその後」はデュシャン、コーネル、瀧口修造などなど,くらくらするような展示。コーネルは個人蔵のものが多くて新鮮です。オペラ座展で余力(?)がなく,この展示だけでももう一度見に行きたい…と思わずまた無茶なことを考えてしまった。