5月か6月だったか,どこかの展覧会のチラシ置き場でこの展覧会を知ってびっくり仰天しました。ジャッカ・ドフニの展覧会? もう閉館してしまったのではないの? その存在を知って,何が何でも行ってみたいと思ったけれども,それは永遠に叶わないと知ったのも同じとき。津島佑子の「ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語」を読んだときのことでした。この本を読んだのは2016年のことだから,8年ぶりに私の記憶も揺さぶられたということ。
高島屋史料館で開催されている「ジャッカ・ドフニ 大切なものを収める家」は小規模な展示ながら,ジャッカ・ドフニに収蔵されていてその後北海道立北方民族博物館に移管された資料の精鋭たちを紹介する展覧会です。「ウィルタとその文化に出会う場」が都会の華やかなデパートのフロアの片隅に出現するのも不思議な感覚。
ウィルタを中心に,ニブフ,樺太アイヌなどサハリンに暮らした少数民族の歴史や生活文化を知ること。私の場合は津島佑子の小説が入口となって,主要な登場人物だったゲンダーヌさんがこの展覧会でもキーパーソンとして登場したことで,虚構の世界が一気に現実の世界へと変貌したみたい。真夏の一日,私は網走へ,サハリンへ,そして書物の中の世界へと旅をしてきたのだろうか。
ずっと体調が思わしくなくて,9月に予定していたネパールへの旅もキャンセルしてしまった今,次の現実的な目標は網走の北方民族博物館へ行くことかな。実現しますように。
展覧会場の前のジオラマの一部。
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