ソロ公演は2022年の仙台ぶり。前回はショパンやガーシュインに感動したけど,今回のプログラムは宇宙がテーマで壮大かつ哲学的なもの。バッハに始まり,メシアンやドビュッシー,坂本龍一,自作のノクターンなどなどに続いて最後の3曲はスクリャービン,ラヴェル,ストラビンスキー。いやあ面白かった。凄まじい速度で進化していく同時代の才能を目撃できるのは生きている悦びだなあ,と。
プログラムにはストラビンスキー「火の鳥」に触れて,「不死や再生の象徴として語られ、循環を連想させる作品」と綴る一節に続いて,「私たちが『始まり』や『終わり』として捉えるものも,より大きな視点で眺めれば,果てしない循環の一部にすぎないかもしれません」(プログラムの一部より引用)とあって,はっとする。読んだばかりのフエンテス「聖域」で描かれた「始まりと終わりのある時間を否定すること」の意味を考えながら満月の夜道を宿へと歩いたのでした。
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