2014-08-09

2014年8月,インド(1),デリー

 インドへの短い旅から帰ってきました。一体,何から手をつけて何から書けばよいのか途方にくれてしまう。「どうだった?」と聞かれたら「凄かった」としか返答できないのです。そして「何が?」と聞かれたら「全てが」としか返答できない。
  途中,カメラのズームレンズがおかしくなってシャッターがおりなくなり,最終日にはお腹の調子もおかしくなって日本から持っていった薬のお世話になり,観光地では群がってくる物売りがあまりにしつこくて,変てこなおみやげをいくつも買ってしまった。それでも,嫌な印象はまったくなくて,また行きたいと思っている自分にちょっと驚いてもいます。少しずつ整理しながらアップしていきます。

 出発前と旅行中に読んでいたのは「インドで考えたこと」(堀田善衛著,岩波新書)。初版が1957年ですから,半世紀以上も前に日本人が彼の地で考えたことなのだけれど,ちっとも古びていないどころか,教えられることがたくさんありました。

 「インドでは一切の廃墟が生きている。村の人たちは,観光客用説明というのではなくて,それらの廃墟についていくらでも無限に,そして実に楽しげに,現在に生きている信仰の対象として話をすることが出来る。それは当方が気持ちがわるくなるほどにそうなのである。そうなれば,バカでもチョンでも少しは考えなければならなくなる。われわれの文化創造の情熱の基礎は何に根差すものであるか,と。」(p.68より引用)

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