ダナンからフエのカイディン帝廟へ向かいます。山の中に忽然と現れたその姿にびっくり。廟への階段を上ると,おお,兵馬俑ではないの!石像の武人や役人,そして馬だけでなく象。
始皇帝の兵馬俑のように,彼岸の世界に生きているようにも見えるけれど,この廟を永遠に守るために此岸で生き続けているようにも見える。地中に埋められてるか,整然と地上に据えられているかの違いなのかなあ。
フランスとアジアの折衷建築の廟の内部は,様々な陶器を用いてモザイク様に装飾されていて,まさに見たこともない世界です。モザイクに近付いて,それらの破片をじっくり眺めるととても楽しい。廟内には帝が使用した美しい日用品の展示なども。西洋世界への憧憬と傾倒が伝わってきます。
ところで,カイディン(啓定)帝はグエン朝の第12代皇帝で,在位は1916~1925年。この廟の建築は1920年から始まったというから,それほど古いものではないわけです。ヴェトナムを旅していて思うのは,すごく古いものかと思っても,それはヴェトナム戦争による破壊の傷痕によるものだったりすることが多いこと。これは一体?と思うときには「物語 ヴェトナムの歴史」(小倉貞男著,中公新書 1997)がとても頼りになりました。
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