2017-08-06

2017年8月,東京上野,タイ展

  日本はもはや亜熱帯なのだろうかという 暑い日が続いても,ああ,どこかアジアの国に旅したいという思いは消し難いもの。家族の事情でしばらくは海外旅行は諦めムードなのですが,気分だけでも味わいに上野へ向かいます。東京国立博物館で「タイ 仏の国の輝き」展が開催されています。

 今からウン十年も前の話,私の初めての海外旅行の行先はタイでした。5泊くらいしたのだったか,当時はパタヤでのリゾートの方が主目的で,バンコク市内の仏教寺院観光はおまけみたいな感覚だったのが今では悔やまれる。。三島の「暁の寺」も未読だったから,エメラルド寺院も有難みがわからなかったな。

 と,すっかり年寄りの感慨(!)にふけりながら展示室をゆっくりまわると,「エキゾチック」をそのまま体現したような会場の構成に興奮です。歩を進める「ウォーキングブッダ」なんて聞いたことがなかった。インドや中国・朝鮮の仏様とは違う不思議な魅力です。
展覧会の目玉はラーマ2世王作の大仏殿の大扉で,こちらは撮影可能。繊細な立体彫刻の中に迦陵頻伽を発見したのですが,最近コンデジしか持ち歩いていないのでピンボケで残念。背面も面白い。

 そして日本刀を模して造られたという「金板装拵刀」もとても面白く見ました。17世紀の日本人兵の活躍によって,日本刀が最上級の刀剣とされてきたということ。そういえば,タイの王様というイメージにはこういう刀がぴったり(「王様と私」とか)。

 ところで東博では9月に「フランス人間国宝展」というのが開催されるそう。チラシを見ると,何だかすごく東洋的な作品が多くてびっくり。窯変天目はともかく,壁紙の文様なども。楽しみな展覧会です。


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