横浜美術館にでかけて,話題のNUDE展を見てきました。アラーキーの写真展とか,刺激たっぷりの展覧会を何度も見たことあるわけだし,今更,西洋美術のヌード展と言われてもなあ,とあまり期待していなかったわけですが!これが面白かった!何しろ,Tate所蔵というところがミソの展覧会です。
いきなり,エヴァレット・ミレイの「ナイトエラント」!一気に気分はピムリコ駅からテムズ河畔へ向かう道へと運ばれてしまいました。年を重ねて,何でも自分の経験値へと収斂させる傾向が強いわけですが,まあこれも展覧会を楽しむ醍醐味ということで。
展覧会の目玉はロダンの大理石彫刻「接吻」です。ここだけ写真撮影可だったので,例によって撮影会場と化してましたが,この部屋の目玉は他にも。なんとターナーの春画(?)が18禁部屋よろしく,薄暗い照明のもとひっそりと展示されているのです。ホックニーの同性愛のエッチングはカヴァフィスの詩集の挿画なのだそう。
過日,NHKの日曜美術館でこの展覧会を特集していて(ゲストは島田雅彦!),新司会の小野正嗣氏がみすず書房のカヴァフィス詩集を持参して島田氏が朗読するというなかなかマニアックな場面に興奮。
番組ではこの後の展示は取り上げていませんでしたが,ハンスベルメールの球体人形あり,ベーコンやルシアン・フロイドあり,と今度は一気にTate Modernへと運ばれて,メイプルソープのリサ・ライオンにテンションが上がります。
白人女性が黒人男性のヌードを見つめるバークレー・ヘンドリックス「裸の黒人は存在しない No Naked Niggahs」の前では,その謎めいたタイトルにしばしくぎ付けに。いやあ,楽しい展覧会でした。
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