この7月・8月の忘備録を。東京都写真美術館で見た「宮本隆司 いまだ見えざるところ」展は驚きに満ちた展覧会だった。イメージになっている2014年の「ソテツ」には,まさかこれが宮本隆司?としばし時間を忘れて見入る。
奄美群島・徳之島での写真がとにかく圧巻。その中に「伊仙」というタイトルの異質な写真が3枚あって,キャプションを見ると1968年撮影となっていた。50年前の写真をリプリントして展示しているのだ。それを見たとき,タイトル「いまだ見えざるところ」の意味が立ち上がってきた。確かにそこで見た,そこにいた人々。そしていまだ見えざる人と場所。
写真美術館では「場所をめぐる4つの物語」展も。奈良原一高の「軍艦島」が圧倒的。限界に生きる人間の姿が美しい。
東京国立博物館では「三国志」展を。「三国志」は高校生の時(遥か昔。。)に何かダイジェスト版みたいなものを読んだ記憶はあるのだけれど,ほとんど忘却の彼方。西安に旅行したときも,読み返そうと思いながらスルーしてしまった。
今回の展示を見て,この夏は絶対!読み返すと決意を固めて吉川英治歴史文庫の第1巻を読了。全8巻である。。それでも,こんなにスピード感があって面白かったか!と瞠目。9月の会期末までに全巻を読み終えるのが無理でも,もう一度見に行きたい。
東博本館では「沖縄のやきもの -やちむんー」展も。独特なフォルムと,響きの美しい沖縄の言葉「セージャラ(皿)」や「マカイ(碗)」などにうっとりする。
横浜美術館では「原三渓の美術 伝説の大コレクション」展を。圧倒的な展覧会。どの一つをとってもその美と歴史と蒐集家の熱情が伝わってきて,感動!としか言いようがない。イメージの国宝「孔雀明王像」はあまりの美しさと,それを原三渓は桁外れの高額で購入したという逸話が衝撃的だ。
綺羅星のごとく並ぶ作品群の中でも,茶道具や伎楽面などにくぎ付け。もう一度見に行こう。常設は前回の企画展「meet the collection -アートと人と,美術館」展の後半がそのまま展示されていて,ロバート・キャパや沢田教一をゆっくり再見。
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