2021-10-31

2021年10月,能登(2),能登島ガラス美術館「中国清朝のガラスと祈りの文様」

  能登空港に到着して,まずは乗合タクシーで和倉温泉駅を目指しました。実は訪れた日が奥能登芸術祭の屋内展示が休館の日だったのです。。休暇を調整して飛行機とホテルをすべておさえた直後に気付いたという。。

 屋外展示は見れるというので日程はそのままにして,初日は能登島ガラス美術館を訪れてから珠洲へ向かうことにしました。和倉温泉駅で家人と落ち合っていざドライブ出発。能登島大橋を渡ってガラス美術館を訪れるのはこれが2回目。20年ぶりくらいだけど,宇宙チックな建物は相変わらず斬新で面白い。

 久しぶりに行ってみようと思ったのは,企画展「中国清朝のガラスと祈りの文様」展に惹かれたから。同館の所蔵品と,サントリー美術館・たばこと塩の博物館の所蔵品の展覧会です。サントリー美術館の所蔵品も,今まで見たことのないものがたくさん。

 チラシは我が偏愛する(?)鼻煙壺がずらりと並ぶデザインで,胸が高鳴る!展示室に足を踏み入れると,美しい展示室に美しい什器。展示されたガラス器の魅力を存分に堪能しました。地色が桃色の鼻煙壺がきれいだったな。鼻煙壺は同館の所蔵品が多数を占めています。
 近くの道の駅で美しい内浦の海を眺めながら能登牛のランチなど頂いて,ああ,やっぱり旅はいいな。

2021年10月,能登・金沢(1)

 能登と金沢へ2泊3日の小旅行にでかけました。能登は珠洲市で開催中の奥能登芸術祭を訪れるのが目当て。羽田空港から初めての能登空港へ。小松空港へ向かうのとはルートが異なり,高度も低いのか,窓下には北アルプスの山なみがはっきりと見えます。大興奮。

 

2021-10-17

読んだ本,「インド酔夢行」(田村隆一)

  巖谷國士の「アジアの不思議な町」でも紹介されていた「インド酔夢行」(田村隆一 日本交通公社 1976)を読了。出版社名を見てちょっとびっくり。なるほど年期の入った古本である。装画は横尾忠則。いつどこで買ったのだったか,裏表紙の小さなシールに目を凝らす。カウブックスの牛のマークだ。中目黒川沿いのあの店には随分行ってないなあ,また行きたい。

 「コモリン岬に夕陽を追う」と「ガンジスの流れに沿って」,「ネパール酔夢行」の3つの旅が綴られる。同行者が破天荒な「コモリン岬」と,真面目な若者と旅をする「ガンジス」。旅として圧倒的に面白いのは前者なのだが,個人的にガンジス河への思い入れが強いので,やはり後者の記述には胸騒ぎの連続である。

 ガンガーの日の出を見た詩人はこう綴る。「ぼくは厳粛な宗教的感情を経験するよりも,巨大な吐息に似たものが,胸底から,ぼくの胃の腑のあたりを揺さぶり,暗い咽喉部をじわじわと這いのぼってくるのを感じるのだ。人類全体が,巨大な徒労と吐息のなかで,車輪状に抛物線を描きながら,無限定の空間に散乱していくような幻覚に襲われる。ここには,すくなくとも,宗教的な求心力はない。ぼくの皮膚が感覚するのは,巨大な遠心力だ。なんともいえない,古代から未来をつらぬく倦怠のあらあらしいタッチ。倦怠というものが,かくもザラザラしたマテリアルな触覚で,ぼくを襲おうとは,夢にも思わなかった。」(pp180-181)

 たまたま見たテレビ番組で,若いタレントが「1週間のインド旅行で人生観が変わったというヤツ」を笑いものにしていた。あのガンジスの流れを目の当たりにすれば,たとえそれが一瞬でも,「無限定の空間に散乱していく」幻覚を見るのだ。時間が経つにつれて,鮮烈な体験の記憶は徐々に薄れてしまいそうになるが,こうした先人たちの旅の記録を読むことで,記憶は確固とした言葉として私の中に刻まれていく。強く。深く。

2021-10-16

2021年2月,山中湖,「東京大学富士山癒しの森」

 思いがけない案件にかかりきりでしたが,ここ数日でようやく一息ついています。10月初に山中湖畔の森にきのこ狩りにでかけてきました。楽しかったー

 初秋の森は心躍る色彩があふれています。キノコや木の実だけではなく,こんな地衣類のかわいい(?)姿に心躍ります。