2023-02-11

2023年2月,横浜あざみ野・センター北,「潮田登久子写真展 永遠のレッスン」・「活字」展

 横浜で面白い展覧会を2つ見てきました。横浜市民ギャラリーあざみ野で開催中の「あざみ野フォト・アニュアル2023」の「潮田登久子写真展 永遠のレッスン」はこの展示が無料だなんて,とまずはそこに感激。横浜美術館が休館中の今,これだけ充実した内容の写真展を見ることができて,とても嬉しい。

 潮田登久子といえば「本の景色 BIBLIOTHECAシリーズが代表作と思っていましたが,初期の「街へ」や撮影者の冷静な過激さが魅力(図録p.10光田ゆり論考より)という「冷蔵庫」のシリーズ、そして「みすず書房旧社屋」など,どれも端正で魅力的なモノクローム。

  数々の書籍が生まれたみすず書房のまるで古屋のような佇まい。図書館の書庫のほの暗さと匂い。静かな展示室を何度も行ったり来たりして充実の展示を堪能しました。

 さて,次は市営地下鉄でセンター北へ向かい,横浜市歴史博物館で「活字 近代日本を支えた小さな巨人たち」を。「活版印刷と漢字活字の誕生,活字と印刷術の日本への伝来,そしてその後の発展の歴史をたどる」(チラシより)展示です。

 何よりびっくりしたのが漢字活字は欧州で誕生したということ。聖書翻訳の展示になるほどと得心しきりでした。「主の祈り」(1805年)の活字の美しさは,主への敬虔な思いがそこに込められているからだろう。

 活字伝来前史のコーナー展示も興味深く拝見しました。奈良時代の百万塔や,慶長年間の嵯峨本の展示なども。最近,辻邦生に回帰(?)しているので「嵯峨野明月記」など読み返してみようか,とそんなことを考えながら地下鉄にのって帰路につきました。充実の一日。

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