子供向けの展示ガイドが置いてあって,「どうして包んだのかなぁ?理由を想像してみよう!」と書いてある。大人も考える。理由はいるだろうか?「包みたかった」のだろう,と思う。その情熱は純粋だし,アート作品としてのドローイングや写真はとてもクールだ。
ただ,どうしても彼らのプロジェクトにつきまとう危険を思い出してしまい(アメリカと茨城のアンブレラプロジェクト(1984-91)についていろいろ読んだり調べたことがある),この情熱を美しいと言ってしまうことに若干の抵抗を覚えるのも事実だ。
手元にはアートフロントギャラリーで1995年に開催された「梱包されたライヒスタークと進行中のプロジェクト」の図録がある。久しぶりに手にして,少々複雑な想いで頁をめくった。
さて,気を取り直して(?)先週銀座で見た日本画の個展の記録。岡路貴理さんは芸大日本画専攻に現役合格して,現在博士課程に在学中の気鋭の作家さん。修了作品が芸大買い上げになったのだそう。展示会場には作品とともに華やかな未来が詰まっているようだ。
画題は思ったより多様で,本人の挨拶文には「旅や街,都市,日常の様々な風景を題材に記憶の形象を模索しつつ新たな日本画表現を試行して」いるとある。ガラスブロックのシリーズが深く印象に残った。向こう側とこちら側を隔てるガラスを写実的に描いて,向こう側の何かを想像させてとても魅力的。これからの活躍がとても楽しみ。
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