とにかく右も左も全部国宝というわけで,キャプションを読んで実物を見て「おお,これが」を繰り返しているうちにあっという間に時間がたってしまった展覧会。まさかの仏足石や玉虫厨子が博物館の展示室にあるわけで,「祈り,信じる力」というテーマ云々よりも,そこに「在る」という事実に圧倒されてテンションもあがります。
そして11月3日までの限定展示の正倉院宝物11件の特別展示には興奮もマックス状態(国宝ではないけど)。「鳥毛立女屏風」や螺鈿の琵琶の前ではただただ「本物だ!」と感激する。「緑地彩絵箱」はその時空を超えた美しさにほとんど呆然となる。
ふと考えるに,旅先のモナリザやマハラジャの宝物にこれほど感激しただろうか。やはり脈々と流れる日本人の感性というものがあって,今ここに立っているのだなあと遠い目になってしまいます。
本館で開催中の「東アジアの華 陶磁名品展」もすばらしい展示。日中韓国立博物館合同企画特別展と銘打つ展覧会で,韓国国立博物館所蔵の白磁壷のその完璧な美しさといったら!韓国にはなかなか行く決心がつかない(キムチが苦手)のだけれど,博物館だけでも行かねば,と心に決めた午後。
ところで,淡交社から出ている「なごみ」という茶道の雑誌の10月号が東京国立博物館の特集です。山口晃の漫画が抱腹絶倒で,館内のあちらこちらでその場所に関するエピソードを思い出してにやにやしながら歩いてしまった。
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