家族が病に倒れ,慌ただしく日常と非日常を行ったり来たりしています。記録として残しておきたいことがいろいろあるのだけれど,ゆっくり頭の中を整理できない日々なので,簡単な忘備録として。
10月1日,KAATに首藤康之のダンスを見に行きました。DEDICATED 2016 "DEATH"と銘打たれた公演の演目はハムレット。約75分,台詞はほぼなく,ダンスでシェークスピア戯曲を見せる舞台です。
中村恩恵の演出がとても美しい。舞台は「ハムレット関連の展示をしている美術館」の場面で始まり,額縁は途中,躍動する小道具としても用いられます。ハムレットを演じる首藤康之はハムレットなのか,ハムレットを見る現代の青年なのか。そしてその舞台を見つめる観客は首藤康之の肉体を通して誰の人生を見ているのか。
めまぐるしく場面は転換し(今回は群舞の場面もある),観客はハムレットのストーリーを追うことには違いないのだけれど,「生」と「死」の境界をその美しい肉体で軽々と超えてしまう首藤康之のダンスを見ることは,私にとって異界を体験することに他ならない。
陶然と1時間強を過ごし,帰宅して1997年光琳社刊の写真集POSSESSIONを手にとり,長い時間を過ごします。撮影は操上和美。 DEDICATEDシリーズを撮影した新写真集も今年出版されています。
0 件のコメント:
コメントを投稿