2018-11-04
2018年10月,東京渋谷ほか,「大名家の能装束と能面」「東西数寄者の審美眼」「松浦武四郎」展
10月の週末,まだ紅葉には少し早い秋の一日に,日本美術を堪能してきました。展覧会を4つハシゴしてしまった。忘備録として。
まずは泉屋博古館に「加納芳崖と四天王」展の後期展示(10月28日まで)を見に。前期と後期でこんなに入れ替えるんだ,とびっくり。狩野芳崖の「悲母観音」がやはり圧倒的な迫力です。
渋谷へ向かい,松涛美術館で「大名家の能装束と能面」展(11月25日まで)を。意外なほど(失礼ですね)会場に人が多くてびっくり。能舞台で生身の人間が身につける装束や面が展示室のガラスの向こうに並んでいるわけですが,それらの「もの」そのものが持つ「魂」のようなものと,能役者と彼らが演ずる能曲の登場人物の「生命感」のようなものが絡まりあって,静かなうねりのように迫ってきます。井関河内の手による般若の面は,面そのものがこの世のものとは思えない。1時間ほど滞在して,腰が砕けるような感覚で美術館を後にしました。
次は五島美術館で「東西数寄者の審美眼」展(12月9日まで)を。逸翁美術館と五島美術館の銘品が並ぶ展覧会。眼福としか言いようのない,美しい茶道具や書画の銘品を前にしてひたすら楽しい。長沢芦雪の「降雪狗児図」にほっこりして,堆黒屈輪文盆はいいなあ~となって,ガレのガラス壺を茶器に見立てる軽やかな精神にうっとりです。
最後は静嘉堂文庫美術館の「幕末の北方探検家 松浦武四郎展」(12月9日まで)で締めくくり。北海道の名付け親の生誕200年を記念した展覧会です。各地で開催されているそうで,静嘉堂文庫美術館では同館所蔵の武四郎の旧蔵品の展示がメイン。で,玉や金環を集めた「大首飾り」が圧巻。北蝦夷余誌などの古書展示が面白かったけど,全体的にちょっと地味な印象の展覧会でした。4館まわってさすがに疲れたな。
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