2022-05-21

2022年5月,大阪・京都(1),大阪市立美術館・大阪中之島美術館

 5月の連休に大阪と京都へ2泊3日の短い旅をしてきました。今頃になってなんだけど,忘備のために短い旅の記録を残しておこう。久しぶりに自由な連休とあって,移動の交通も観光地もとにかくすごい人出(自分もその一人なわけで)。楽しかったけど,人混みに少々疲れた旅でもありました。

 何でわざわざ連休にかというと,目的のイベントが3つありまして。四天王寺の古本まつり(大阪),大江能楽堂の定期能,みやこめっせの古書市(京都)というわけ。それに加えて,中之島美術館と京セラ美術館も行ってみたい!となったわけ。詰め込み過ぎですな。。

 で,まずは四天王寺に向かう前に大阪市立美術館で「華風到来 チャイニーズアートセレクション」というすばらしい展覧会を堪能。チラシやポスターのイメージになっている「上海娘」(島成園)がなんとも魅力的で,これは面白そう、と思って会場に入ったら度肝を抜かれるような展示の数々!

 なんたって北宋の書家,米芾の《草書四帖》には悶絶。九帖のうち台北故宮に二帖,そしてここに四帖って。いやあ知りませんでした。米芾の書には理屈を超えて惹かれます。力強い?流麗?そんな言葉を当てはめるのが無粋と言わんばかりの神々しさの前に,ぽかんと口を開けて佇むのみ。

 そして初めて聞いた名前の島成園。魅力的な作家だなあと思ってたら,最近になって新聞の美術面でその来歴が紹介されてました。激烈な画風から転じて人形のような人物を描くようになったのには,芸術に無理解な夫の存在があったらしい。上海はその夫の転勤に伴って住んでいたのだそう。そうか,あの寡黙な上海娘の醒めた視線の先の蝋燭に灯されているのは,一人の女性の人生そのものだったのか。
 第4章には「好きならたくさん集めたい。―中国の石像彫刻」なんてタイトルがついていて,とにかく圧巻の展示。併設のコレクション展もコプト美術やイランのラスター彩タイルなど,ドツボにはまる(?)作品の数々に大興奮でした。いやあ,また見たい。9月にサントリー美術館でコレクション展があるらしく,今から楽しみ。

 さて,この勢いで乗り込んだ四天王寺の古本祭りは写真を撮り忘れました。。全体的に価格設定は安いのですが,状態の悪い本が多くて今一つだったな。菊池信義装丁の「高丘親王航海記」(澁澤龍彦)とか,ラテンアメリカ叢書の「ママ・グランデの葬儀」(ガルシア・マルケス)などが戦利品。

 古本祭りを切り上げて向かったのは大阪中之島美術館。
 とにかくかっこいい美術館。これはテンション上がります。場所も国際美術館のすぐ近くだし,大阪恐るべしですね。「みんなのまち 大坂の肖像(1)」展もこういうのをサイト・スペシフィックな展示というのか,という内容の濃さ。安井仲治、小石清の写真。

 さて,大阪はこれで切り上げて,次は京都へ。

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