魅力的な短編ばかりであっという間に読み終える。ただ,なぜか連休をはさんで急ぎの仕事が立て込んでしまい,ゆっくり考えたり言葉にするのが難しくもどかしい。未読だった「禿鷹」の最後の一節を引用して忘備としよう。
「さっと舞い上がったかと思うと,はずみをつけるために一度うしろへ飛びすさり,つづいて槍のようにくちばしを突きたて,私の喉深くとびこんできた。私は仰向けに倒れた。のどの奥から,どっと血が噴き出した。みるみるあたりは血にあふれ,その中でもがく間もなく禿鷹が溺れていく。それをみて私はほっと安堵した。」(p.19)
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