ここしばらく展覧会の記録を残していなかったので忘備として。国立西洋美術館で「スウェーデン国立美術館素描コレクション ルネサンスからバロックまで」展を見てきました。海外で所蔵されている素描作品を日本で公開するのは難しいとのことで,同館の素描コレクションを日本でまとまって見れるのは初めての機会だそう。眼福でした。
おお,デューラー! レンブラント!という感じで,まさに巨匠の手元の動きの感触を楽しんでいる感覚。イタリア,フランス,ドイツ,ネーデルランドの地域別の4章構成になっています。印象に残る作品がたくさんありましたが,雀や馬や犬など身近な動物たちが主役に収まっているのが楽しい。あと,コスチュームのデザインと考えられるらしい「蛙男」なんていうのも。
アーティゾン美術館では「彼女たちのアボリジナルアート オーストラリア現代美術」展を見ました。アボリジナルアートを見るとき,キーワードになるのは「脱植民地化の実践」であり,「そしてそれがいかに創造性と交差」しているのかということ(チラシより)。
確かに7名と1組の女性アボリジナル作家の作品はどれも単純ではなく,多面的な様相を見せるものでした。イワニ・スケースの「ガラス爆弾シリーズ」。マリィ・クラークの顕微鏡写真の連作。タイトルは「私を見つけましたね:目に見えないものが見える時」。
9月に入って,国立新美術館では第109回二科展を。坪田裕香さんの「water in the bottle」のシリーズ。不思議な形態と色彩のバランスが面白く,「これは何?」という疑問をねじ伏せる迫力があります。根木悟さんの「on the corner」。山岡明日香さんの「OTOWA POND」は奥村十牛の「醍醐の桜」の本歌取りに見えてしまうのは私だけだろうか?
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