2025-09-22

2025年9月,東京六本木,深瀬昌久「洋子|遊戯」

 

 ミッドタウンのフジフィルムスクエア写真歴史博物館で深瀬昌久の写真を見る。2023年の東京都写真美術館の大規模な展示でもこのシリーズを見たのだが,その時にも感じた写真家の狂気じみた眼差しが怖ろしい。怖ろしくて映画館に行けなかった『レイブンズ』をやはり見てみようか。配信なら自宅で見れるのだし。

 と場で黒マントを纏って躍る洋子。その後10年間結婚生活を続けるが,「10年もの間,彼は私とともに暮らしながら,私をレンズの中にのみ見つめ,彼の写した私は,まごうことない彼自身でしかなかった」(「救いようのないエゴイスト」『写真家100人 顔と作品』1973年)と綴ったという。(展覧会チラシより)

 2023年の展示のときには気づかなかったが,洋子は金沢出身なのだという。結婚生活の後半,謡曲や仕舞の稽古に打ち込んでいたといい,その精神風土にシンパシーを感じる。狂気の人に惹かれたという事実も含めて。

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