今年の春から楽しみにしていた「宋元仏画 蒼海を越えたほとけたち」展を見る。開幕してまだ日が浅い時期だったので,朝一の会場は人もまばらで静かに名画に向き合える,と思いきや。観光バス2台分くらい?の団体さんがどっと会場に。ちょっと(かなり)がっかり。
 係の人が「お静かに」とか「撮影禁止」とか書かれた札を差し出して何となくは落ち着くけど,気が散ってしまってじっくり鑑賞する環境ではなかったかも。途中で,会場が落ち着くまで図録を読みながら椅子に座って過ごすことにした。
 こちらも気を落ち着けて会場を見渡すと,鎌倉時代や室町時代に「海を越えて」やってきた仏画の数々を国の宝や重要文化財として敬い,今なおこんなにも大切に美しく保存していることがとても誇らしく思えてくる。
 展覧会の内容の素晴らしさや充実ぶりは日曜美術館でも紹介されたし,あちこちで大評判なので私ごときが改めてここに記すことではないかな。「孔雀明王像」の美しさ。「老子図」(牧谿)の荘厳さ。
 それから第一章の「宋元文化と日本」の展示もとても面白かった。大好きな屈輪文の器物がたくさん。そういえば,と思って帰宅後に2014年三井記念美術館の「東山御物の美 足利将軍家の至宝」の図録を再見。おお,徽宗皇帝や牧谿がこんなに出品されてたんだ。すでに忘却の彼方だったけど,すごい展覧会だったんだ。
 
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