2025-10-04

2025年9月,京都(1),「どこ見る?どう見る?西洋絵画」・「民藝誕生100年」展

  9月末,2泊3日で京都へ行ってきました。展覧会と南座の歌舞伎見物が目的です。まずは初日はゆっくり移動して京都市京セラ美術館に。「どこ見る? どう見る? 西洋絵画」展は春に上野西洋美術館で開催されていたときに見逃して後悔していたのでした。やはりコターンの「マルメロ,キャベツ,メロンとキュウリのある静物」は見ておきたかった。

 モチーフが面白いのか,構図が面白いのか,陰翳が面白いのか,そのすべてなのか,とにかく面白い。数多のアーティストにインスピレーションを与えたのだろうな,とサイ・トゥオンブリーのキャベツの写真を思い出しながら何度も前を行ったり来たり。

 ファン・サンテス・コターンはもう1点,同じ部屋に「聖セバスティアヌス」が出品されていて,サイズが小さいので思わず欲しく(?)なる。自室の壁にかけて毎日眺めることができたらいいなあ,などと思って見ていたら,傍らの若いカップルの女性がこんなことを言う。 
 「金閣寺の人だよね?」…あ,そうか。篠山紀信が撮った三島由紀夫の写真のことだ。三段跳びみたいな発想だな,と思いつつ,彼氏さんがどんな返しをするのか興味シンシンで聴き耳を立てたけど,何のことかわからない様子だった。思わず彼女さんに話しかけたくなってしまったけど,そんな怪しいオバアサンにだけはならないでおこう。この旅で一番の衝撃的出来事ではありました。

 京セラ美術館ではもう一つ,「民藝誕生100年 京都が紡いだ日常の美」展も。民藝の展覧会はいつどこで見ても,何かしら新鮮な悦びがある。黒田辰秋の螺鈿の函や鍵善良房のくずきり容器。

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