芸術の村ウブドの中心部は観光客向けのおしゃれな店がぎっしりと続いています。南部のセレクトショップでバティックやイカットの古布,アンティーク銀器などを物色しました。見事なバティック古布は日本円で数万円単位。観光客向けなので,お値段もそれなりです。美しくビーズ刺繍が施された小物など数点を購入。近くの生地屋で手頃なバティックなども。
ウブド王宮のある中心部へ少し北上する途中,タマンサリ寺院Pura Taman Sariの門。寺院の入口は割り門tjandi bentarが多いのですが,ここには美しい細工の扉がついています。
市街とはいえ,緑も多く通り抜ける風も気持ちがいい。夕刻を待ってプリアタン王宮Peliatanで開催される,ティルタサリ楽団Tirtasariの公演へ向かいました。「数百年の歴史と伝統に裏付けされた『本物』のレゴン舞踊を継承している」(旅行社ガイドブックより),バリ島を代表する楽団ということ。
プログラムはガムランの演奏に始まり,レゴン・ラッセル,クビャール・トロンボン,レゴン・ジョボック,そしてバロン劇というラインナップです。バロン劇は短縮版でしたが,バリ芸能のおいしいところをすべて盛り込んだ濃密な約1時間半。舞台正面最前列に陣取って,異界へ迷い込んだような不思議な昂揚感にしばらくは呆然自失。ホテルへの帰路は興奮状態で役者さんたちの印象を語り合っておおいに盛り上がる!
ところで,旅行の前に少しバリ芸能の知識をかじろうと読んでみたのが「魔女ランダ考:演劇的知とは何か」(中村雄二郎,岩波書店同時代ライブラリー,1990)という1冊。バロン劇に登場する悪のランダと善のバロンの対立について示唆に富む論考が繰り広げられます。バリ島旅行に際して読んだ本についてはまたいずれ項をあらためて。
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