京都国立博物館の平成知新館に行ってきました。この夏,鳥獣戯画が目玉の開館記念展は大変な人出だったらしい。年内最終日の夕方に出かけてみると,訪れる人も少なめでしっとり落ち着いて雰囲気満点です。
谷口吉生設計のこの建物,東京国立博物館の法隆寺宝物館をそのまま引き伸ばした感じ。入口の池までそっくり。同じ建築家に依頼してテイストを揃えるのは筋が通っている(?)と言えばその通りだけど,これが博物館建築のスタンダードである!と言わんばかりの建築家のエゴみたいのがちょっと鼻につく。
気を取り直して3階の考古・陶磁室から順に2階の絵画を回って1階へ。彫刻・書籍・染織・金工・漆工と特別展示室があります。ここのところ,漆の美しさに惹かれているので,南蛮漆器と紅毛漆器を特集した漆工の部屋でうっとり楽しみました。IHSのマークが入った書見台は,伝統美と西洋の融合がそのまま500年近く「目新しさ」を失っていないとでも言えばいいのか,現代の日本人の眼から見ても,とてもモダンな美しさです。
ちなみに南蛮美術でよく目にするIHSはIesus Hominum Salvator:「人類の救世主イエス」の頭文字ということ。クリスマスを控えた古都の夕暮はとても静か。にぎやかで華やかな都心を離れて古都で過ごす選択もありだな,としみじみ。
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