2015-09-22

2015年8月,京都の夏(2),龍谷ミュージアム「玄奘」展

 西本願寺の向かいにある龍谷ミュージアムは前から気になっていた美術館。この夏,「玄奘」展を訪れました。堀川通りに面したファサードからエレベーターで地下に下り,エントランスは端正な中庭に面して配置されています。フロアが分かれた展示室そのものはあまり広くありませんが,とても気持ちのよい建物です。
 玄奘展の副タイトルは「迷いつづけた人生の旅路」とあり,「多くの困難に対峙し,迷いを抱えつつも歩みを進める玄奘さんを支えた、その志とは」(チラシより)何かを考える展示です。薬師寺に伝わる宝物が中心ということ。
 
 玄奘さんの生涯を辿る展示はとてもわかりやすく,一人の人間の生を静かに,そしてドラマチックに語っています。天竺で出逢った美しいガンダーラ仏,唐へと持ち帰った西域の言語の経典,唐で訳された経典,日本へ伝わった経典や仏像。とりわけ興味をひかれたのが五天竺之図でした。
 
 大きく引き伸ばされた複製が床に置かれ,その旅程を辿ることができるようになっています。6月に訪れたばかりの西安(長安)が出発地であり,帰着地でもあるわけで,あの西の城門から出発したのか,という身体的な感覚で見ることができてとても面白かった。まさに時空を超える旅をした気分です。
 
 当時の長安の図や大興善寺のパネル展示などにも興奮。閉館間際までじっくり堪能しました。(川口美術へ行く時間が無くなった!) 

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