2015-10-04

2015年9月,東京西新宿,鈴木理策写真展

 9月に訪れた展覧会の忘備録として。まず,東京オペラシティアートギャラリーで開催されていた鈴木理策写真展「意識の流れ」(9月23日まで開催)。美術館の広いスペースで鈴木理策の写真を見るのは東京都写真美術館で開催された「熊野 雪 桜」展(2007)以来。そういえばあの展覧会は黒と白の思い切った展示が印象的だった,と記憶が甦りました。
  写真を「見ること」で記憶や意識の流れがもたらされる,という写真家の思想がダイレクトに伝わり,体感できます。吉野の桜の展示コーナーには「来年咲く桜を思い描く時,過去に出会った桜の記憶によるものなのに,私にはそれが未だ見ぬものに思われる」というメッセージが添えられています。

 写真とは記憶そのものなのか,記憶の媒体なのか。自分の目で見たわけではない吉野の桜の写真を見ながら,これを見るのは移転前のギャラリー小柳と写真美術館以来だから3回目だなあ,と思いを巡らす。その思いには,銀座と恵比寿と新宿という私にとっての「体験の場所」の記憶が伴う。 

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