2016-05-15

2016年5月,東京駒場,フランツ・エッケルト没後100周年記念特別展

 東京大学駒場博物館で開催中の「フランツ・エッケルト没後100周年記念特別展 近代アジアの音楽指導者エッケルト プロイセンの山奥から東京・ソウルへ」という長いタイトルの展覧会を見てきました。この長いタイトルに惹かれたようなもの。博物館入口にまぶしい5月の陽光が射す。
  エッケルトは日本の音楽文化の近代化に大きく寄与したお雇い外国人ということ。演奏と音楽指導が主な業績のため,文書として残っている資料は少ないということらしい。

 チラシには「初公開の資料も多い」と書いてありますが,ほとんどがファクシミリ版です。ドイツや韓国の資料はともかく,外務省外交史料館や東京合唱協会などからは現物を借用できなかったのはなぜ??

 面白かったのは,1889年以降,宮内省式部職雅楽部で管弦楽を指導していた経緯についての説明。おお,宮内省式部の雅楽師が西洋音楽を演奏するのはこの頃からなんだ,という気付きと,雅楽と西洋音楽の分離・兼修をめぐる紛糾により関係が悪化して職を辞したという事実への驚き。へぇー,の連続である。
 
 展示会場には音源が置いてあって,「君が代」(エッケルト編曲),葬送行進曲「哀之極」,「大韓帝国愛国歌」を聞くことができます。膨大な解説パネルと解説文が掲示され,展示ケースの中には現物ではなくコピーの史料が大部分を占めるなど,展覧会というよりは研究発表の一環としての展示,という印象です。平日の午後,東大駒場キャンパスで知的な体験,という自己満足(?)に浸って会場を後にしました。

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