まだまだ夏の日差しの強い週末,佐倉の国立歴史民俗博物館に出かけました。アクセスが不便でこれまで一度も訪れたことがありませんでした。思ったよりもスムーズに到着できたのはいいのですが,突然の豪雨にちょっと心が折れかかる。自分を雨女と思ったことはないのだけれど!
広大な博物館で開催されている企画展示「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」と,特集展示「戦国の兜と旗」,「柳田國男と考古学」の3つがお目当て。これだけの展示を一度に見ることができるわけで,お得感満点です。
シーボルトの展示では,19世紀の異国の眼から見た日本を通覧できてとても面白い。香木を削る香道具の函には,「子ども用の大工道具のミニチュア玩具」という説明があります。なるほど,そういうものに見えたわけだ,と妙に納得。目玉の一つである植物画「フローラ・ヤポニカ」は,『植物図鑑』という使命を超えた美しさにうっとりする。
「戦国の兜と旗」では東京大学史料編纂所所蔵の「落合佐平次道次背旗」を見ます。一度見たら忘れられないビジュアルはもちろんのこと,その修復にかかる技術と情熱の結晶に感動。
「柳田國男と考古学」の展示では,民俗学形成への柳田國男の思想を辿る展示です。細かい文字の説明パネルを丹念に読み込むには余力(!)が残っておらず,樺太や朝鮮出土の遺品を眺めるだけ,という感じになってしまったのが痛恨。樺太の「ソロイヨフカ出土の針入れ」の前で釘づけになりました。「ソロイヨフカ」という言葉の響きの虜になる。建物を出ると,雨後の強烈な陽射し。直通バスで川村美術館へ向かいます。
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