2016-08-10

2016年8月,東京竹橋,声のマ 全身詩人、吉増剛造展

 
  東京国立近代美術館で8月7日まで開催されていた「声のマ 全身詩人、吉増剛造展」を見てきました。この詩人について,そしてこの展覧会について何かを書き残そうとするのは,私にはあまりにも手に負えないので,ここでは忘備録として。
 
 イントロダクション,日誌・覚書,写真,銅板,〈声ノート〉等,自筆原稿,〈gozoCine〉,怪物君,(怪物君をモチーフにした空間),コラボレーションの9つのパートで構成された展覧会です。
 
 もっぱら,多重露光の写真がメインの写真展示のコーナーで時間を費やしました。というより,そこから足を踏み出すと,自分が一体どこへ向かうのか,この詩人にどこに導かれていくのかがわからなくなって無性に不安になってしまうのです。
 
 彼の多重露光の写真はほかのどんな写真家の写真よりも惹かれます。In-betweenの吉増剛造Irelandは宝物の一つ。オリジナル写真の展示に吸い込まれてしまう。
 
 銅板のコーナーでは実物を手に取ることができるコーナーがあり,詩人を真似て手に取って写真を撮ってみました。「怪物君」の前では私はすべての思考が止まり,言葉を失います。この詩人の声はどこから聞こえてくるのだろうか。
 
 当日,映画の上映会があり,終演後サイン会が催されていました。美術館の外から詩人の姿をカメラに収めてみました。ガラスとブラインド越しに,背中が見えるようで見えない。詩人の声は聞こえない。 

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