「インドでは,木があればその下にはひとがいる。というよりも,この日射しでは木の下以外に人のいられる場所はない。人が屋外で何かするためには,まずその場に木を植えておかなければならないという感じ。だからこの国には,森も多いけれど,一本だけの美しい木がたくさんある。木を植えるところから文明が始まったのだろう。」(池澤夏樹「パレオマニア」インド扁その1より (集英社刊 p.71))
樹の名前はなかなか覚えられない。昼食をとった法華ホテルの駐車場にて。ラジギールをあとにして,この日のうちにデリーへ戻るためにパトナの空港へ向かいました。途中,玄奘三蔵が旅の目的地としたナーランダ大学跡へ。
ここはブッダの時代にはそれほど重要な拠点ではなかったらしい。この広大な佛教大学の遺跡は5世紀グプタ朝以降のもの,ということ。玄奘三蔵が旅の目的地としたのがこのナーランダ大学です。おお,「天竺への旅」の終着地だったわけ! 2015年に西安へ旅行したときに,ここから玄奘三蔵が天竺へ旅立ったのか,と感慨深かったことを思い出す。そして終着地に来てしまった。旅のパズルがするすると埋まっていくようで,何だかとても痛快な気分です。
大学跡は広く,往時1万人の学生と1500人の僧侶が生活していたのだとか。しかし13世紀イスラム軍の攻撃により破壊され,焼き尽くされる炎と煙は半年間続いたという。出口へ向かう途中,美しい庭園で若いカップルが結婚式を挙げていました。
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