2020-10-04

2020年9月,北海道(1),北海道立文学館


 9月の半ば,北海道に2泊3日の短い旅をしてきました。白老の国立アイヌ民族博物館の開館を楽しみにしていたのです。やっと旅を楽しめるかな,というタイミングで予約しようとしたら,入場者数の制限があって希望の日程では無理と判明。予定の旅程を逆回りにして,まずは札幌へ。

 北海道は随分と前に函館と旭川動物園を観光したことがあるだけ。札幌は素通りだったので,今回はゆっくりと楽しむことに。まずは中島公園に佇む北海道立文学館へ。冷たい小雨まじりの公園は,晩夏と初秋のさらにその狭間のような美しさ。

 特別展「作家たちの交差点」は,「北の話」という小冊子の特集展示で,入口にずらりと並んだ装丁が楽しい。佐藤忠良の美しい女性の横顔は原画の展示もあって望外の悦び!そして,なるほど「北の作家たち」とも「作家たちの北」とも言えそうな展示をゆっくりと拝見しました。中村真一郎は名前しか知らない。「蠣崎波響の生涯」を読んでみたい。今回の旅の伴に選んだ串田孫一の直筆原稿もうれしかった。
 常設展では「アイヌ絵巻と文学」という充実のアーカイブ展示を。ウポポイの予習をしたところで「北海道の文学」へ。広い大地の博物館は,どこも想像以上の規模で,ゆっくり見てるとどれだけ時間があっても足りません。少し足を速めて,現代の作家たちのコーナーではもちろん,池澤夏樹のクローズアップにテンションが上がります!

 ショップをうろうろしていたら,モノクロのポストカードに目が留まりました。掛川源一郎という初めて聞く名前の写真家の作品。これがとってもよいのです。2004年に写真展が開催されたらしい。見たかったなあと思いつつ,休憩コーナーで友人に便りを認めて,さて次は安藤忠雄のリノベーションによる北菓楼札幌本館へ。

 久しぶりの旅の思い出で長くなりそう。札幌前編ということで,続きは次項へ。 

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