一年前に父を亡くしたカントが,少年から青年へと,アイヌのアイデンティティに迷いながら成長していく姿がときに眩しく,ときに切なく,ときに尊い。死んだ人たちが暮らすという洞穴の場面では思わず号泣でした。
ストーリーの中心にはイオマンテという熊送りの儀式の復活が語られます。アイヌの人たちの死生観が静かに語られ,昨年訪れたウポポイの国立アイヌ民族博物館の展示で得た知識が映像と結びつき,震えるような思いでした。
「アイヌモシリ」はカムイモシリの対になる「人間の大地」という意味ということ。また北海道に行きたい。池澤夏樹の「静かな大地」を読み返そうと思っています。
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