2022-07-09

2022年6月,山形の旅(1),酒田,土門拳記念館

 日本で最初の写真専門の美術館ということで前から一度行ってみたかった土門拳記念館。酒田へは上越新幹線で新潟に出て,そこから羽越本線で日本海沿いに北上しました。飛行機なら庄内空港まで約1時間なので,かなり時短になるみたいけれど,今回はJRのパスを使ったのでのんびり鉄道の旅です。酒田はとても静かで素敵なところ。

 飯森山公園内の土門拳記念館までは路線バスで。本数が少ないですが,事前に調べておけば心配ご無用!ってなわけで,すいすい旅程は進む。

 特別展「木村伊兵衛と土門拳」展が7月3日までの会期で開催中でした。「ともに日本における近代写真/リアリズム写真の開拓者として知られています。しかし,その人柄や作風は大きく異なっていました」(展覧会チラシより)という2人の写真が並んでいます。

 1枚の写真がまるで1篇の映画のような木村伊兵衛の作品群と,1つの被写体を徹底的に凝視するような土門拳の作品群と。木村伊兵衛の方が好きだな,という漠然とした先入観を持っていたけれど,圧倒的な迫力の写真を見ていると,どちらが好きかなんてどうでもよくなってくる。それぞれの仕方で迫ってくる写真の力を前にして,見る力を試されているよう。どうだ,と言わんばかりに。

 谷口吉生の建築は美しく,端正な趣です。展示室や廊下にさりげなく置かれた椅子に腰かけて,ふうと一息つくと,観客の想いをすべてを受け止めてくれるかのようです。2時間ばかりの滞在時間を堪能して,再び路線バスで市街地へ戻りました。

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