身辺に大きな変化があって,4月から新しい生活が始まりました。生活のリズムがまだ全然つかめてなくて,時間がたっぷりできたはずなのにへとへとに疲れてしまう日々。こんなことでは徒らに時間が過ぎてしまう。とにかく外へ! まずは町田市立国際版画美術館へ向かいました。
「自然という書物 15~19世紀のナチュラルヒストリー&アート」展が開催中です。植物画の起源を見れるかな,というくらいの期待度だったのですが,これがすごい展覧会。これほど深い内容とは想像もしてませんでした。
そもそもタイトルの「自然という書物」とは「キリスト教の自然観を反映した古くからのトポス(常套表現)である。父なる神によって創造された被造物である自然は「第一の書物」である聖書と同じく,神の真意が刻まれた読み解かれるべき「第二の書物」とみなされていた」とのこと(図録p.25解説)。
ヒストリカルな展開を楽しみつつ,1冊ずつの精緻な自然の姿も楽しんで,ロバート・ジョン・ソーントン(編)の「フローラの神殿」には大感激,下の写真のエルンスト・ヘッケル(著・画)の「自然の芸術形態」には思わず釘付け。
最終章の「デザイン、ピクチャレスク、ファンタジー」もとても素晴らしい展示でした。ピラネージあり,ラスキンやターナーやバーン・ジョーンズあり,ミュシャやビアズリーもあり,ととにかく眼福。もう随分と昔のこと,銅版画を少しやってみたくて多摩美の講座に通ったことがあったけれど,すっかり過去のことになってしまいました。版画美術館のアトリエに一日講座の案内が置いてあって,ぜひ申し込もう!と心に決めたのでした。
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