そして松涛美術館の展示空間にとてもよく合っている展覧会だったと思います。第1章「1930-40年代 瀧口修造と阿部展也 前衛写真の台頭と衰退」,第2章「1950-70年代 大辻清司 前衛写真の復活と転調」,第3章「1960-80年代 牛腸茂雄 前衛写真のゆくえ」という構成。
前衛写真の展開が時系列に並んでいて,今までにも何度も見たことのあるイメージでも,その意味がとてもわかりやすいのです。特に牛腸茂雄のSELF AND OTHERSはここへ至る写真家の精神に圧倒されます。
瀧口修造自身の撮影した写真の展示は数は多くはありませんが,以前足利市美術館で見た「イタリア紀行」の一部の展示やスライド映写があり,やはりその写真は「詩」そのものだと再確認したのでした。
そしてもう1つ気になったのが大辻清司の関連資料として展示されていた「アサヒカメラ」1969年4月号の記事です。おお,対談メンバーの中に中平卓馬の名前が。じっくり読みたかったので,近いうちに所蔵館を探してでかけよう。2024年2月には東京国立近代美術館で中平卓馬展が開催される! こういうのが「生き続ける」糧になるんだな,とそんなことを思ってしまう年の瀬なのでした。 どうぞよいお年を。
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