2024-12-02

2024年11月,東京上野毛・千駄ヶ谷,「古裂賞玩」・「宝生宗家展」

 いつの間にか12月になっている。一日はゆっくりと流れていくが,月日の流れはあっという間だ。私は動く歩道の上で日がな呆けて過ごしているのだろうか。

 まだ体調に波があり,あまり出かけていない。11月にでかけた展覧会を2つ,忘備録として。上野毛の五島美術館で「古裂賞玩 舶来染織がつむぐ物語」展。館蔵品だけでなく,東博や根津や徳川,MIHO MUSEUMなどなどの逸品が勢ぞろい。名物裂を手前に,書画や法衣などが壁面に展示されて,美しい古裂の息遣いを立体的に楽しむ。茶入れと仕覆はこれ以上の組み合わせはない,というがごとくどれも完璧な美しさだ。

 国立能楽堂は11月は企画公演の「特集・源氏物語」の第1日,邦楽「空蝉」「住吉」と宝生流の復曲能「空蝉」を拝見。能「空蝉」は廃曲になっていたというのはそれなりに理由があったのだろうと思えてしまう。今一つドラマチックな展開がないまま,それでも安田登師のワキを是非拝見したかったので,思わず力が入る。

 資料展示室の「宝生宗家展」はその充実した展示の迫力に唖然となる。能面の美しさと怖さ。どれだけ時間があっても見入っていられる。来年の3月までの会期なので再訪は確実かと。

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