1月に出かけた展覧会をもう1つ忘備として。町田の玉川大学教育博物館に「イコンにであう -キリスト教絵画のみかた-」を会期の最終日に見に行く。10月からの長い会期で,ずっと行きたいと思いつつ,広大なキャンパスのアップダウンを考えて二の足を踏んでいた。これは行かないと後悔すると思い立って最終日に駆け込んだというわけ。
ロシアとギリシアのイコンを中心に,同大学のコレクションの優品55点がずらりと並ぶ展覧会は静かに深く心に沁みる。展示は5つのセクションで構成され,第1章はイエス・キリストの生涯,第2章が聖母マリヤの姿。どの一つも,人々の信仰生活と密接に結びついた強さが伝わってくる。「薔薇の聖母」(ロシア 17世紀)の圧倒的な様式美。「真善美」という言葉を具現化したものがここにあるのだ,と実感する。
ところで,この展覧会も私の遠い記憶を呼び覚ます。2010年5月にロンドンとパリを訪れた際,ルーブル美術館に特別展のSainte Russie(聖ロシア展)を見に行った。イコンもたくさん見たし,精緻な工芸もたくさん出陳されていた。フランス語の図録を購入したのが悔やまれる。英語版を買えばよかったな。2冊の図録を手にとってゆっくり眺めていると,やっぱり出かけてよかったと思うことしきり。
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