松濤の観世能楽堂にでかけて櫻間右陣の会の能公演「通小町」を見てきました。ほかに仕舞「八島」「玉之段」「杜若」,狂言は「二九十八」という番組。能楽堂の前の桜がそろそろ開き始めたというのに,この日は冷たい風が吹いて季節が逆戻りしたよう。
「通小町」は小野小町の霊がツレ,彼女を慕いながら生前その思いを遂げられずにやつれ果てた怨霊の姿で現れる深草少将がシテのお話。僧の弔いのうちに二人そろって成仏してめでたし,めでたしという展開なのですが,ややもって地味な印象。それでもさすがに右陣さんの端正な佇まいと立廻には思わず引き込まれます。
面白かったのが善竹十郎さんが演じた「二九十八」。狂言なんだから面白いのは当たり前なのだけれど,現代のジェンダー論的にはNGじゃないのか(?),という女性には加虐的な内容があけっぴろげに展開されるところがまたおかしい。お腹をかかえて笑いました。
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