駒澤大学の構内にある「駒澤大学禅文化歴史博物館」で開催中の企画展「禅画・禅籍を楽しむ」を見てきました。副タイトルは「大学の知られざる逸品」。普段はなかなか見ることのできない,大学所蔵の貴重資料が公開されているとのこと。そういえば,東京国立博物館で見た「栄西と建仁寺」展にも駒大所蔵の「正法眼蔵」(道元筆)が出展されていました。土曜日のお昼時,学生さんたちの若さが眩しい(!)キャンパス内を博物館へと向かいます。
正門の脇で美しい花をつけているのは「栴檀(センダン)」。これは白檀のことで,インド伝来なのだそう。大好きな香りの白檀が,こんな可憐な花をつける木だったとは。
博物館の展示は1階が常設,2階が企画展ですが,2階の展示スペースは広くありません。1階と2階の展示を合わせて,貴重な資料が公開されていると考える方がよさそうです。
1点ずつの解説がとても詳しく,浅学の身にはとてもありがたい。 「禅問答(公案)と禅籍」のコーナーには現代語訳,「中国と日本の禅籍」を並べたコーナーでは印刷技術の紹介も,といった具合。
そして展示の中で一番興味深かったのが「絵入牧草(えいりうしかいぐさ)」(1669)。これは「江戸時代初期に流行した仮名草子の文体を模して十牛図になぞらえたもの」だそう(展覧会図録P.16)。昨夏,京都の高麗美術館で朝鮮の十牛図を興味深く見たので,それが日本に伝わったものだと思うと,展示室の自分の周りの時間と空間が一気に広がっていくようなくらくらした感覚を味わう。
十牛図については,面白そうな本を購入したものの,積ん読状態。そのうち,と言っていたら人生の残り時間がいくらあっても足りなくなりそう。
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