2016-03-07

2016年2月,東京半蔵門,「舞楽」公演

 2月の土曜日の午後,国立劇場にでかけて舞楽の公演を楽しんできました。舞楽は皇居の雅楽演奏会(2012年2014年の秋)ですっかり魅了され,今回の公演は情報を見てすぐにチケットを申し込みました。会場は満席,チケットは早々にsold outだったそうです。宮内庁式部職楽部による公演です。

 演目は左方と右方の両方が舞う振鉾(えんぶ),右方の四人舞の長保楽(ちょうぼうらく),そして左方の六人舞の春鶯囀(しゅんのうでん)の三曲。春鶯囀一具の上演はおよそ五十年振りとのこと。(ほう,という感慨しかないけれど。)
 
 プログラムによれば,源氏物語に「春の鶯囀るという舞,いとおもしろく見ゆる」と記され,光源氏がその一節を誰も真似できないほどに美しく舞う場面が描かれているのだそう。皇居の楽部で見るのとは違って,大きなホールの舞台の設えは平安の気分からはちょっと遠いのだけれど,優雅な舞と調べにうっとりしてあっという間に時間が過ぎていきます。
 
 休憩時間にプログラムの「舞楽とは 何のために舞われたのか」(南谷美保)を読む。「舞台芸術」として楽しんでいる私にとって,当時は神仏に奉納するというだけでなく,見る側にあった天皇をはじめとする高貴な身分の方々の立場を高めるという社会的な機能も果たしていたという指摘は瞠目でした。
 
 中国や朝鮮半島からの伝来に関する記述もとても興味深いものです。5月には管弦の公演があるそうなので,ぜひ出かけよう。
 
 帰路,半蔵門の駅へ向かう途中,民家の軒先にまるで野生のような(!)シンビジウムの鉢植えを発見。力強い…。

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