2017-04-01

2017年3月,東京六本木,ミュシャ展

  国立新美術館で開催中のミュシャ展を見てきました。プラハといえば,大好きな日本画家の山本直彰さんが滞在してドアのシリーズを描いたところ,というのがまっさきに浮かんでしまう。どうにも,何を見ても自分の経験が思考の土台になってしまうのは,歳をとった証拠なんだろうか。。写真はスカイデッキから。カメラはコンデジです。
 
 それはさておき,このミュシャ展は「スラヴ叙事詩Slav Epic」全20作が国外初公開されているのですが,本国でも作品は長く国民から忘れ去られ,プラハ市に里帰りしたのは2012年のことなのだそう。
 
 確かに,などと知ったかぶりをするつもりはないけれど,大画面の歴史主義的なこの連作よりも,パリ時代の美しい装飾的なポスターの展示のコーナーの方が私にはずっと魅力的に思えます。写真撮影可の展示室はほとんど撮影会場と化しています。
 ただ,展覧会の前日に見たテレビ番組で,ミュシャはこの叙事詩のシリーズの製作にあたり,農民たちに衣裳をつけさせてポーズをとらせ,写真を撮ってそれをもとに描いていた,と紹介されていたのが印象的でした。弱き人の姿ばかりでなく,魂もまたミュシャののぞいたファインダー越しにフィルムに定着したのだろう。
 
  ちょうどこのタイミングで,京都の古書店Books & ThingsのHPでミュシャが撮影した写真集ALPHONSE MUCHA PHOTOGRAPHS / Graham Ovenden(1974,London)が紹介されてるのを発見して興味シンシン。京都国際写真祭が間もなく始まるし,久しぶりに春の京都に行きたくなってきました。と,かなり脱線。

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