2017-04-09

2017年4月,東京押上,西アジア遊牧民の染織展

 桜満開の週末,無情にも冷たい雨と風が吹き荒れました。初めて降りる押上の駅。スカイツリーには興味がなくて,地下鉄駅を出た途端に眼に飛び込んできたその姿にびっくり仰天。そうだった,押上はスカイツリー駅でもあったんだ。このお天気なので,この姿。人間がこんな高さのものを作ってよいのだろうか,と思わずにいられない。
 
 渋谷にあったたばこと塩の博物館がここ押上に移転したのは2015年4月ということ。魅力的な特別展があってもアクセスが不便でしたが,今回の「西アジア遊牧民の染織 塩袋と旅するじゅうたん」展は見逃せない。で,展覧会はもちろんのこと,たばこと塩の常設展示も広く快適なスペースでした。
 特別展の丸山コレクションは,渋谷で2008年に開催された「西アジア遊牧民の染織 塩袋・生活用袋物とキリム」展の続編的な展示。この展覧会で「塩袋」なるものの実用性と装飾性がとても面白かった記憶があったのですが,それにしても9年も前の展覧会。ついこないだ渋谷にでかけた気がするんだけど。。これはそのときの図録。
 今回はタイトル通り,各地の絨毯やキリムの展示がメイン。入口の西アジアの地図や,それぞれの作品のキャプションの民族名を見ながら,この美しい絨毯を織った人々の暮らしに思いを巡らす。シリアの化学兵器で亡くなった幼子を抱き締める若い父親の写真を朝刊で見たばかり。BGMの砂漠の民の物悲しい旋律を聴いて,美しい絨毯の前でちょっと涙腺がゆるむ。

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