満開の桜の季節。今年も,建畠晢氏の詩集「そのハミングをしも」に所収の「反・桜男」を想って花の下を歩きます。以前,ここで引用したのは2013年だから,それからもう6年も経っていることにびっくり。毎年,平積みにされた大量の桜男たちの出荷が繰り返されるこの社会の片隅で,反・桜男として生きていくのはとても難しいこと。しかし!私もまた詩人の顰に倣って,彼らを注釈する側には立つまい!
もう1つ,思い出すのは鈴木理策の吉野桜。一体,桜を見ている私はどこにいるのか,写真家がレンズの向こうに見たのは此岸の世界なのか,それとも彼岸の世界なのか。にぎやかな笑顔やかわいい子供たちの声があふれる公園をそぞろ歩きながら,こんなヘンテコなことを考えてしまうのは,反・桜女の証拠なのだ,と開き直ってしまおう。
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