2019-12-01

2019年11月,東京上野,「正倉院の世界」展

 10月から11月にかけて東博で開催されていた「正倉院の世界」展。前期と後期の両方を見に出かけました。随分と前から,毎年秋に開催される奈良博の正倉院展を訪れてみたいものだと思いながら,ついぞ出かけたことがありませんでしたが,何というラッキー。これを見たいのよ,という2点が前期と後期にそれぞれ出陳されるというではありませんか!
 
  螺鈿紫檀五弦琵琶と,そして何よりも白瑠璃碗。この2つを見ることができれば心残りなし,と勇んでいざ出陣。前期は琵琶の人気で大行列でしたが,後期はそれほど並ぶことなく,しかも白瑠璃碗は普通のガラスケースに陳列で,展示室内で行列することなくじっくり見ることができた!
 
 今まで見たいろんな博物館や展覧会のペルシャ碗の出土品には,「正倉院に類似の完品がある」という情報が付随してきたけれど,そのまさに本物の美しさと言ったら! やはり土の中から出てきたものとは次元が違う輝きです。一つ一つのカット面に反射する輝きが無限の美しさを湛えていて,言葉にならない。

 いやあ,人生の宿題を一つ果たした感じ。琵琶の螺鈿もよかったなあ。他には伎楽面の迫力にもやられました。染織では毛氈のみずみずしい質感にびっくり。展示の最後のコーナーでは宝物庫の模型や保存の様子を。模型とは言えど,近寄りがたいオーラを放つ扉。
 
  さて,平成館を後にして,東洋館では特別展「人,神,自然」が圧巻。東博がこんなの所蔵してたの?とびっくりするくらい,初めて見るものばかり。それもそのはず,東博ではなくカタールの王族の「ザ・アール・サーニ・コレクション」の名品展でした。

 このコレクションは2020年春からパリで常設の公開が始まるのだそう。古代から近現代まで網羅するすばらしいコレクションとのこと。ああ,そんな。パリに行きたくなってしまいます。 入口の看板。ピンボケなので小さめに。 最後に本館では「文化財よ、永遠に」展も。今年の秋の東博はお腹いっぱいになりました。

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