作品は3つ,マルコス・モラウ振付のFolka,アレクサンダー・エクマン振付のFIT,ボティス・セヴァ振付のWatch Ur Mouth。どれも素晴らしいの一言だけど,個人的には現代社会を映し出すコンセプト性が濃厚な後の2作品に対して,祝祭・儀式の色が濃いモラウ作品が刺激的だったな。「意味」を超えた「動き」の強さが直接,観客の五感を揺さぶるというか。
とにかくも終演後はただただぼーっとして帰路に着き,翌日書棚から引っ張り出したのはこの1冊「バレエの現代」(三浦雅士 文藝春秋1995)。刊行が1995年だから30年前の著作なんだけど,私にとっての舞踊のバイブルなんだな。ちなみに,前橋文学館で来年1月まで三浦雅士の仕事を振り返る企画展が開催されている。ちょっと遠いけど,行きたい。
「どんな舞踊も生と死の両極を秘めている。(略)舞踊は生と死にかかわらないと成立しないのである。身体を表現の手段にするということはそういうことなのだ。人間は,身体という場において,生まれ,成熟し,老いて,死ぬ。舞踊が,時には恐怖を感じさせるまでに美しいことの,それが理由である。舞踊ほど宇宙を,コスモスを感じさせる芸術はない。」(p.11プロローグより)
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